極上パイロットの一途な執愛
 美しい微笑みを向けられたけれど、ときめきよりもあせりが勝った。

「お、お願いですから、こんな目立つ場所で待たないでください」

 小声で言いながら、柱の陰に移動する。

「そんなに警戒しなくても、普通にしていれば誰も気にしないよ」

 蒼真さんはみんなが憧れる王子様なんですよ!と叫びたかったけれど、大声を出すわけにもいかず、なんとか言葉を飲み込んだ。

「急に職場に来たうえに、みんなの前で『ずっと会いたかった』なんて言うなんて、どういうつもりですか……っ」
「SNSはブロックされて着信も拒否されて。職場に突撃する以外、手段がなかったんだけど?」

 にっこりと笑いながらそう言われ、私は「あっ」と言葉に詰まる。

 そうだ。離婚するからにはきっぱりと縁を切らなきゃと意気込んで、蒼真さんからの連絡を受け取らないように設定していたんだっけ。

「すぐにでも話をしたかったけど、不規則なシフトのせいでなかなかタイミングが合わなくて、気付けば二週間も経っていた。その間連絡を取る方法もなくて、本当にもどかしかったよ」

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