極上パイロットの一途な執愛
「いや、レオじゃなくて」
「え?」

 不思議に思って振り返ると、くすりと笑われた。

「無邪気に笑う愛里がかわいい」

 甘い視線を向けられ、一気に頬が熱くなる。

「……からかわないでください」
「からかってるつもりはないんだけどな」

 まっすぐに見つめられ、どういうリアクションをしていいのかわからなくなった。

「ワン!」

 そんな私たちを、ボールを持って戻ってきたレオが不満そうに見上げる。

「じゃあ、今度は俺が投げるよ」

 そう言って蒼真さんが手を伸ばすと、レオはボールを咥えたまま私の後ろに回り込んでしまった。

 まるで蒼真さんにボールを渡すのはいやだと抵抗しているみたいだ。

「どうしたの? レオ」

 不思議に思って声をかけると、私には素直にボールを渡してくれた。

「あまり蒼真さんに懐いていないんですか?」

 私の問いかけに、蒼真さんは苦笑しながらうなずく。

「俺はほとんど実家に帰らないから、他人だと思われてるんじゃないかな」

 たしかにレオは五歳で、彼が朝比奈家に来たときにはすでに蒼真さんは家を出ていた。
< 85 / 163 >

この作品をシェア

pagetop