社長、その溺愛は計算外です

婚活パーティーで「理想の女性」を演じていたあの夜から、どれほど遠いところまで来たんだろう。

あの頃の私に、教えてあげたい。仮面なんていらなかった、と。

私たちは、深くキスを交わした。周りの歓声など、もう聞こえなかった。

キスを終えて、私たちは額を寄せ合う。

「愛してる」

圭佑さんが、囁く。

「私も、愛しています」

夜空を見上げると、雪が美しく舞っていた。


「今日は、君を家まで送っていくよ」

圭佑さんが、私の頬にキスをする。

「今日の続きは……結婚式の夜まで、楽しみにしているから」

その言葉に、頬が一気に熱くなった。

「もう、圭佑さん……」

「本気だよ」

彼が、悪戯っぽく笑う。

私たちは、手を繋いでタクシーに乗り込んだ。



それから、半年ほどが過ぎた。

お互いの両親から結婚の許可を得た私たちは、大切な人たちだけを招いて、都内の小さなチャペルで式を挙げることにした。

準備期間の半年間は、驚くほどあっという間だった。

ドレス選び、会場選び、招待状の作成──全てを、圭佑さんと一緒に決めた。

ドレスを選んだ時、彼は「君が着れば、どんなものだって最高に見えるよ」と、困ったような、蕩けるような笑顔で言ってくれた。

迷った末に選んだのは、過度な装飾を削ぎ落とした、凛としたAラインのドレス。

ありのままの私に、一番ふさわしい気がした。
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