社長、その溺愛は計算外です
「……綺麗だ」
かすれるような声。
空気に触れた肌が粟立つと同時に、圭佑さんは私の肩に顔をうずめ、深く息を吸い込んだ。
「ずっと、こうしたかった。理性が壊れる寸前だったんだ、ずっと」
彼の手によって、私はゆっくりと横たえられる。純白のシーツに髪が広がり、その上に彼が覆いかぶさった。
「梓、俺を見て」
指先で顎を持ち上げられ、逃げ場のない視線が衝突する。そこにあるのは、私への激しい執着。
「梓が好きだ。君の全てを、俺の中に刻み込みたい」
唇が重なる。これまでの慈しむようなキスとは違う。深く、熱く、甘く蕩けるような口づけ。
「……っ、ふ、……ぁ」
互いの舌が激しく絡みあうたび、思考は真っ白な海へと溶けていく。
重なり合う体温。シーツを掴む私の指先に、彼の逞しい腕が絡みついた。
「梓……」
名前を呼ぶ彼の声が、切なく響く。
「……っ、圭佑さん」
「可愛い。もっと、俺を呼んでほしい」
彼が、情熱を湛えた眼差しで私を見る。
気づけば、私は自分から彼のシャツに手を伸ばしていた。
ボタンをひとつ外すたび、彼の体温が近づいてくる。
この人にもっと触れたいという気持ちが、止められなかった。
ワイシャツを脱ぎ捨てた彼の、程よく引き締まった胸筋が露わになる。
「……もう、社長でも『僕』でもない。ただの男として、君を愛したい。梓、今夜は俺に全部預けてくれ」
「はい……っ、圭佑さん」
私は、彼の首に腕を回した。
長い夜だった。
言葉より体温で、たくさんのことを伝え合った夜。
窓の外では月が静かに輝き、二人の新しい始まりを、優しく見守っていた。