没落令嬢ですが聖女になった途端、婚約破棄した皇太子に溺愛されています
祖母の言葉を、なぞるように。

自分の限界など考えず、ただ繰り返す。

けれど。夜、ふと目を覚ました時。

胸の奥に、わずかな違和感が残る。

(……どうして)

こんなにも、力を使っているのに。

満たされるはずなのに。

なぜか、どこかが欠けているような気がする。

それでも私は、目を閉じる。

考えないようにして、また深い眠りへと落ちていった。

それは、突然のことだった。

その日も私は、井戸の浄化を終えて屋敷へ戻ったばかりだった。

体の奥がじんと重く、少しだけ休もうと椅子に腰を下ろした、その時――

扉が、乱暴に叩かれる。

「開けろ!」

鋭い声に、思わず体が強張る。

使用人が慌てて扉を開けると、そこに立っていたのは――宮殿の紋章を身につけた騎士たちだった。

「セレスティア・フォン・ヴァルディアだな」
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