没落令嬢ですが聖女になった途端、婚約破棄した皇太子に溺愛されています
聖女は純潔を失うと、力が弱まる。

お母様にそう言われたけれど、私の中では聖女の力がなくなっていく感覚はない。

私は、木の側にある枯れた花に手を添えた。

枯れた花が、ふわっと咲いていく。

むしろ―――力が増しているような気がする。

(聖女の力にも、いろんなものがあるんだわ)

私は、空の上を見上げた。

「セレスティア様」

名前を呼ばれて後ろを見ると、モンテーロが立っていた。

「モンテーロさん」

「少しお話する時間、頂けますか」

「はい」

モンテーロさんは、私をテントの中に入れた。

「あの、ここでお話するんですか?」

アルセイド殿下の侍従だとしても、男性と二人きりになるなんて。

「何か問題でも?」

その圧がすごかった。

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