没落令嬢ですが聖女になった途端、婚約破棄した皇太子に溺愛されています
「い、いいえ」

「それに」

モンテーロさんが、私に一歩近づく。

「他の者に聞かれたら、まずい話でしょう」

息が止まった。どういうこと?

「古文書を読んで知ったのですが」

「古文書?」

「聖女に関しての古文書です。あなたは知っているのですか?」

まさか、モンテーロさん。知っている?聖女に関しての事を。

「……聖女は、純潔を失うと力を失うということを」

ドキッとした。体が震える。何も答えられない。

「その様子だと知っていたんですね」

私はモンテーロさんを、じっと見つめる。

「知ってて、皇太子殿下に純潔を捧げたんですか」

ここは、大人しく事実を告げるべきなんだろうか。

「もし、そうだとしたら。何だと言うのです?」
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