没落令嬢ですが聖女になった途端、婚約破棄した皇太子に溺愛されています
国王陛下が、深く息をついた。

「……ふむ」

その視線が、私へと向けられる。

「セレスティア・フォン・ヴァルディア」

名を呼ばれ、思わず背筋を正す。

「そなたはどうだ」

問いかけられる。

その意味は、分かっている。

「……私は……」

一瞬だけ、視線を落とす。

けれど、すぐに顔を上げた。

「殿下のそばに、いたいと願っております」

それが、私の答え。もう、迷わない。

「……そうか」

国王陛下は、静かに頷いた。

そして――

「そこまで言うのなら、仕方あるまい」

その一言で、すべてが決まる。

「セレスティアを、アルセイドの婚約者として認める」

(……え……)

息が止まる。信じられない言葉。

けれど、それは確かに現実だった。

「……感謝いたします」
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