没落令嬢ですが聖女になった途端、婚約破棄した皇太子に溺愛されています
距離が縮まるたびに、胸の鼓動が速くなる。

そして、目の前に立った瞬間。

殿下の手が、そっと差し出された。

迷わず、その手を取る。

「……来たな」

低く、優しい声。

「はい」

自然と笑みがこぼれる。

そのまま、祭壇の前へと進む。

厳かな空気の中、誓いの言葉が響く。

「――汝、アルセイド・クロヴィスは」

問いかけに、殿下は迷いなく答える。

「誓う」

短く、力強く。その言葉に、胸が熱くなる。

「――汝、セレスティア・フォン・ヴァルディアは」

私の番。ほんの一瞬、目を閉じる。

(……私は……)

すべてを思い出す。

苦しかったことも、迷ったことも。

それでも――この人の隣にいると決めたこと。

「……誓います」
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