没落令嬢ですが聖女になった途端、婚約破棄した皇太子に溺愛されています
はっきりと、告げる。

その瞬間、殿下の手が強く握られた。

「……セレス」

小さく名前を呼ばれる。

その声が、すぐ近くにある。

そして――祝福の中で、口づけが交わされる。

あの別れの日とは違う。

これは、永遠を誓うもの。

拍手と歓声が、会場を満たす。

(……幸せ……)

胸の奥で、静かにそう思う。

すべてを失ったと思ったあの日から。

こうして、隣に立てる日が来るなんて。

「……離さない」

耳元で、低く囁かれる。

「これからもずっとだ」

その言葉に、私は小さく頷いた。

「はい……殿下」

――いいえ。

「……アルセイド様」

そう呼び直すと、殿下がわずかに目を細めた。

強く握られた手。もう、離れることはない。

祝福に包まれながら。私は、この人と共に歩いていく。

これから先も、ずっと。


ー End ―
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