Incomplete -この世界にいない君に、恋をした-
蒼の白い首筋には、見たこともない青い紋様が浮かび、静かに明滅していた。
「……なんで」
思わず、声が震える。
「なんでそんな、無理するの。……私のこと、消しちゃえばよかったじゃない」
沈黙。
やがて、蒼は震える手で地面を突き、ゆっくり顔を上げた。
その瞳は、透き通った水色から、色が抜け落ちたように淡くなっている。
「言っただろ……ここは、お前がいていい場所じゃないって。……早く、帰れ」
突き放す言葉。でも、その声は掠れて、今にも消えてしまいそうだった。
私のためにボロボロになった彼に、そんな風に言われるのが、たまらなく苦しくて。
「じゃあ……」
気付けば、大きな声が出ていた。
「じゃあ、帰してよ! 帰り方を知ってるなら、今すぐ帰してよ!」
抑えていたものが、一気に溢れ出す。
「こんな訳分かんないとこに来て、死ぬほど怖い思いして! 蒼だって、私のせいでそんなに傷ついて!」
声が、震える。怒っているのか、情けないのか、自分でも分からない。
「帰れって言うだけで、どうすればいいかも教えてくれないで。……そんなの、あんまりだよ!」
分かっている。これは、私のわがままだ。
守ってくれた彼にぶつける言葉じゃない。
でも、そうでもしないと、彼を傷つけてしまった罪悪感で、自分が壊れてしまいそうだった。
「…………」
蒼は、何も言わない。
ただ、力なく座り込んだまま、私を見ている。
その瞳に宿る色が、あまりにも悲しくて、さらに胸が締め付けられる。
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「……なんで」
思わず、声が震える。
「なんでそんな、無理するの。……私のこと、消しちゃえばよかったじゃない」
沈黙。
やがて、蒼は震える手で地面を突き、ゆっくり顔を上げた。
その瞳は、透き通った水色から、色が抜け落ちたように淡くなっている。
「言っただろ……ここは、お前がいていい場所じゃないって。……早く、帰れ」
突き放す言葉。でも、その声は掠れて、今にも消えてしまいそうだった。
私のためにボロボロになった彼に、そんな風に言われるのが、たまらなく苦しくて。
「じゃあ……」
気付けば、大きな声が出ていた。
「じゃあ、帰してよ! 帰り方を知ってるなら、今すぐ帰してよ!」
抑えていたものが、一気に溢れ出す。
「こんな訳分かんないとこに来て、死ぬほど怖い思いして! 蒼だって、私のせいでそんなに傷ついて!」
声が、震える。怒っているのか、情けないのか、自分でも分からない。
「帰れって言うだけで、どうすればいいかも教えてくれないで。……そんなの、あんまりだよ!」
分かっている。これは、私のわがままだ。
守ってくれた彼にぶつける言葉じゃない。
でも、そうでもしないと、彼を傷つけてしまった罪悪感で、自分が壊れてしまいそうだった。
「…………」
蒼は、何も言わない。
ただ、力なく座り込んだまま、私を見ている。
その瞳に宿る色が、あまりにも悲しくて、さらに胸が締め付けられる。
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