Incomplete -この世界にいない君に、恋をした-
「……っ」
涙が込み上げてくるのを、必死に堪える。
「……怖いか?」
蒼が私の顔を覗き込む。
私は首を横に振った。
「でも私、蒼を壊したいわけじゃない。…ただ、ずっとそばにいたいだけなの……」
それだけ、なのに。
私の言葉に、蒼は目を見開き、そして深く溜息をついた。
彼は私の額に、そっと自分の額を預ける。
世界が、崩壊する……────
そんなの…ありえない。
「……本当に、救いようのない馬鹿だな。…俺がどんな目に遭っても、離れないっていうのか?」
「……うん」
「……なら、俺も覚悟を決めるしかないな」
蒼はそう呟くと、初めて私の頬に、その冷たい唇を重ねた。
「お前を、俺の魂の半分にする」
それは愛のキスというよりは、番人としての契約にも似た熱い刻印だったのかもしれない……────
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