恋の雨が降るとき 〜クールな外科医は甘く囁く~
やがて、松澤が箸を置く。
その小さな音に、幸子の手も止まる。

「倉田」

名前を呼ばれる。
それだけで、胸が強く打つ。

「……はい」

小さく返す。
声がわずかに震えているのが、自分でもわかった。

松澤は一瞬だけ間を置いた。
何かを確かめるように。
それから、迷いなく口を開く。

「俺は、お前を守りたいと思ってる」

飾りも、遠回しもない。
その分だけ、逃げ場がない。

言葉の意味が、ゆっくりと胸に落ちてくる。
幸子の胸の鼓動は、トクトクと早くなる。

「仕事も、生活も……全部ひっくるめてだ」

「えっ……」

「一緒にいれば、無理はさせない」

それは約束だった。

そして、松澤は幸子を真っすぐに見つめる。

「結婚を前提に、付き合ってほしい」
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