恋の雨が降るとき 〜クールな外科医は甘く囁く~
少しだけ、間を置いてから、幸子はゆっくりと口を開いた。

「……今度、ゆっくり会いませんか」

言った瞬間、自分でも驚く。

けれど、もう引き返すつもりはなかった。

『ああ、いつだ』

「次のお休みの日……空いてますか」

『空ける』

迷いのない声に、胸の奥がじんわりと満たされる。

「……ありがとうございます」

『礼はいらない』

少しだけ声が低くなる。

『お前に会う時間を取るのは、当然だ』

その言葉が、まっすぐに心に落ちる。

子猫が、甘えたように喉を鳴らす。

「……楽しみにしてます」

『……ああ。俺もだ』


通話を終えたあと、幸子はしばらくスマートフォンを握ったまま動かなかった。
子猫が膝の上で丸くなっている。
その温もりを感じながら、そっと息を吐く。

「……先生、会ってくれるって」

けれどその声には、やわらかな甘さが混じっていた。
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