恋の雨が降るとき 〜クールな外科医は甘く囁く~
華やかすぎないその佇まいが、逆に、言葉よりも強く何かを伝えてくる。

「……綺麗」

思わず、そう呟く。
松澤は視線を逸らさず、静かに言葉を紡ぐ。

「お前がどういう状況でも、俺の中では変わらない」

言葉は飾られていない。
それでも、その重さだけは伝わる。

「隣にいると決めた」

観覧車は、さらに上へと昇っていく。
外の光が遠ざかるほどに、この小さな空間だけが切り取られていくようだった。

「だから……形にした」

言葉が、まっすぐに届く。
幸子は、リングを見つめたまま小さく笑う。

「……やっぱり、ずるいです。ちゃんと考えようと思ってたのに、こんなふうに出されたら……」

言葉の続きが、うまく出てこない。
松澤の表情が、わずかにやわらぐ。

「迷う時間を与えないために、ここで渡してる」

「……わかってて、やってますよね」

「当然だ」

その迷いのなさに、胸の奥が静かに満たされていく。
幸子は、ゆっくりと手を伸ばした。



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