恋の雨が降るとき 〜クールな外科医は甘く囁く~
松澤は、幸子の反応を楽しむみたいに目を細めながら、頬へそっとキスを落とした。
軽く触れただけのはずなのに、そこだけ熱が残る。

「……もう」

照れて俯こうとした瞬間、指先で顎をそっと持ち上げられる。
逃げる隙なんて、最初から与えるつもりがないみたいだった。

「見てると、触りたくなる」

視線が絡む。

新しい部屋の真ん中で、松澤の熱がゆっくりと近づいてくる。

重なった唇は、今までとは少し違った。
確かめるだけじゃない。
甘さを溶かし込むみたいに、ゆっくり深くなっていく。

「っ……克樹さん」

呼吸が乱れた声が漏れると、松澤は額を寄せたまま、小さく息を吐いた。

「……無理だな」

「え……?」

次の瞬間、身体がふわりと浮く。

「きゃっ……!」

気づけば、横抱きに抱き上げられていた。

「ちょっ、克樹さん!?」

「王道だろ」

真顔で言うから、余計にずるい。
慌てる幸子を抱えたまま、松澤はそのまま寝室へ向かう。
広いベッドが視界に入った瞬間、心臓がさらに大きく跳ねた。
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