恋の雨が降るとき 〜クールな外科医は甘く囁く~
腕の中が、ひどくあたたかい。

「……幸子」

ベッドへそっと下ろされながら、名前を呼ばれ、その声だけで、胸の奥が甘く痺れた。
松澤の手が頬へ触れる。

まるで壊れ物を扱うみたいに優しい手つきなのに、視線だけは熱を隠していない。

「……そんな顔するな」

「どんな顔ですか……?」

「可愛すぎる」

真っ直ぐ言われ、幸子は恥ずかしさでいっぱいになる。
耳まで熱い。

そんな幸子を見て、松澤が小さく笑う気配がする。

次の瞬間、背中越しに腕が回され、そのままゆっくり引き寄せられた。

「……逃げるな」

さっきと同じ言葉なのに、今度はどこまでも甘い。

幸子は小さく笑って、その腕へそっと寄りかかった。

窓の外では、夜の街の灯りが静かに瞬いている。

幸子はゆっくりと目を閉じた。
広い胸の温かさを確かに感じながら。

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