恋の雨が降るとき 〜クールな外科医は甘く囁く~
昼休みのチャイムが鳴った瞬間、幸子は立ち上がった。
「倉田さん、今日お弁当いいの?」
同僚に声をかけられ、幸子は少しだけ視線を逸らす。
「あ、ちょっと用事があって……」
曖昧に笑って答えると、そのまま足早でロッカールームへ向かった。
バッグを掴み、外へ出る。
向かう先は、自宅だった。
午前中、ずっと気になっていたのだ。
子猫のことが。
朝は元気そうにしていたけれど、あの小さな身体だ。
ちゃんとご飯を食べているか、また弱っていないか……。
考え始めると、不安が頭から離れなかった。
だから気づけば、足が自然と家へ向かっていた。
病院から家までは、小走りで10分ちょっとの距離。
家まで着くと、少し息を切らしながら、鍵を開けて中に入る。