恋の雨が降るとき 〜クールな外科医は甘く囁く~
「誰が決めた」

「……え」

「釣り合うとか、釣り合わないとか」

真っすぐな瞳から逃げられない。

「誰が決めた」

松澤は同じ言葉を、もう一度繰り返す。
今度は、強く響く。

幸子は何も言えなかった。
そんなこと、考えたこともなかった。
周りがそう言うから。
それが普通だと思っていたから。

「俺は、自分にとって大切な人にレベルなんて求めていない」

その言葉が、まっすぐに胸に刺さる。

「勝手に線引くな」

幸子の心が、大きく揺り動かされる。

理解が、追いつかない。
けれど、感情だけが先に動く。
< 88 / 146 >

この作品をシェア

pagetop