思い出せない恋人より、忘れられない人がいる ――記憶喪失の秘書は冷徹社長に溺愛される
真っ直ぐな瞳。揺るぎない想い。

「もう一度、俺を選んでくれ」

胸の奥に、すべてが満ちていく。

迷いなんて、もうない。

「……はい」

自然と、答えていた。

「私、新太さんと一緒にいたいです」

それが、今の私のすべてだった。

新太さんの表情が、柔らかく崩れる。

ほっとしたように、そして嬉しそうに。

「ありがとう」

そう言って、私の手を取る。

指先に触れる、温かい手。

ゆっくりと、指輪が嵌められる。

ぴたりと収まる感覚。

まるで――最初から、ここにあるべきものだったみたいに。

「……似合ってる」

優しく、そう言われる。

「……はい」

涙をこぼしながら、笑った。

次の瞬間、そっと抱きしめられる。

今度は、迷いのない腕の中。

「もう離さない」
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