完璧な上司に飼われてます! 〜ズボラ女子の居候日記〜【長編版】
「石田、始業したらすぐに昨日の書き起こしを始めてくれ」
「あ、はい! わかりました!」
書き起こしね……えーと、データは確か……。
そうそう、橋場さんとの共有ボックスに入っていたはずだ。
パソコンにワイヤレスイヤホンを接続し、データを開く。
昨日の取材内容を手作業でテキスト化し、それをさらにAIツールで整文化する。
今や、この流れはすっかり定番作業になっていた。
気づけば、オフィスには続々とメンバーが集まってきていた……。
「あれ!? 石田っち、早くない? 今日はどんな風の吹き回し?」
「宮坂さん、おはようございます! ちょっと、早起きできたので……」
「あら、そうなの。早起きするのは良いことよ。この調子でね」
「はい!」
スイーツ班の宮坂さん。
背がすらりと高く、無駄のない体型で、しかもとびきりの美人。
二十代後半の宮坂さんは、沖浦さんと同じく、私にとって憧れと尊敬の対象だ。
そんな宮坂さんに褒められただけで、気持ちが跳ねる。
いつものように軽いブリーフィングが終わり、各自が作業に入った。
橋場さんは全体構成について沖浦さんと会議があるらしく、席を外している。
私は指示通り、黙々と書き起こし作業を進めた。
AIツールを使うようになってから、この作業は集中すれば一時間もかからず終わる。
「……思ったより、早く終わったな」
画面を見ながら、小さく呟く。
橋場さんは、まだ戻ってきそうにない。
……少しだけなら。
息抜きに、SNSでも覗こうか。
「#洋食サワイで……検索っと……」
みんなの口コミを見て、記事作りの参考にしよう。
それくらいの、軽い気持ちでSNSを開いた。
「あれ? これ、光市の……」
間違いない……光市の彼女だ。
紛れもなく、昨日のランチの様子がアップされている。
写真には、あの時一緒に並んでいた後輩の女の子の姿も写っていた。
前も光市の投稿にコメントしているところを見つけたことがあるけど……その時はそこまで気にならなかった。
見ちゃいけない。そう思っているのに……指が勝手にアカウントのアイコンをタップしていた。
彼女のページを開くと、これまでの投稿がずらりと並ぶ。
気づけば、数か月前まで遡って、一つ一つ目を通してしまっていた。
女友達との写真が多く、どれも楽しそうで、充実している様子が伝わってくる。
「……え、この投稿……」
光市と遊園地に行っている写真?
でも、この時期って……。
「……まだ、私と付き合ってた頃じゃん」
え、浮気……?
いや、たまたま遊びに行っただけ……?
女友達と遊びに行くなら、一言くらい言ってくれてもよかったのに。
やっぱり、この頃から……もう私への気持ちは薄れていたんだ。
「うわ……見るんじゃなかった……」
オフィスは静まり返っている。
取材に出ているメンバーばかりで、この島には誰もいない。
響くのは、私の情けない独り言だけ。
「ははーん。彼、浮気してたのか?」
「……ええっ!?」
思わず声を上げて振り返る。
そこには、冷めた視線で私のスマホを覗き込む橋場さんが立っていた。
「は、橋場さん!?」
「書き起こし、もう終わったみたいだな。余計なことまでしていたようだが」
「……見られてたんですか」
「あ、はい! わかりました!」
書き起こしね……えーと、データは確か……。
そうそう、橋場さんとの共有ボックスに入っていたはずだ。
パソコンにワイヤレスイヤホンを接続し、データを開く。
昨日の取材内容を手作業でテキスト化し、それをさらにAIツールで整文化する。
今や、この流れはすっかり定番作業になっていた。
気づけば、オフィスには続々とメンバーが集まってきていた……。
「あれ!? 石田っち、早くない? 今日はどんな風の吹き回し?」
「宮坂さん、おはようございます! ちょっと、早起きできたので……」
「あら、そうなの。早起きするのは良いことよ。この調子でね」
「はい!」
スイーツ班の宮坂さん。
背がすらりと高く、無駄のない体型で、しかもとびきりの美人。
二十代後半の宮坂さんは、沖浦さんと同じく、私にとって憧れと尊敬の対象だ。
そんな宮坂さんに褒められただけで、気持ちが跳ねる。
いつものように軽いブリーフィングが終わり、各自が作業に入った。
橋場さんは全体構成について沖浦さんと会議があるらしく、席を外している。
私は指示通り、黙々と書き起こし作業を進めた。
AIツールを使うようになってから、この作業は集中すれば一時間もかからず終わる。
「……思ったより、早く終わったな」
画面を見ながら、小さく呟く。
橋場さんは、まだ戻ってきそうにない。
……少しだけなら。
息抜きに、SNSでも覗こうか。
「#洋食サワイで……検索っと……」
みんなの口コミを見て、記事作りの参考にしよう。
それくらいの、軽い気持ちでSNSを開いた。
「あれ? これ、光市の……」
間違いない……光市の彼女だ。
紛れもなく、昨日のランチの様子がアップされている。
写真には、あの時一緒に並んでいた後輩の女の子の姿も写っていた。
前も光市の投稿にコメントしているところを見つけたことがあるけど……その時はそこまで気にならなかった。
見ちゃいけない。そう思っているのに……指が勝手にアカウントのアイコンをタップしていた。
彼女のページを開くと、これまでの投稿がずらりと並ぶ。
気づけば、数か月前まで遡って、一つ一つ目を通してしまっていた。
女友達との写真が多く、どれも楽しそうで、充実している様子が伝わってくる。
「……え、この投稿……」
光市と遊園地に行っている写真?
でも、この時期って……。
「……まだ、私と付き合ってた頃じゃん」
え、浮気……?
いや、たまたま遊びに行っただけ……?
女友達と遊びに行くなら、一言くらい言ってくれてもよかったのに。
やっぱり、この頃から……もう私への気持ちは薄れていたんだ。
「うわ……見るんじゃなかった……」
オフィスは静まり返っている。
取材に出ているメンバーばかりで、この島には誰もいない。
響くのは、私の情けない独り言だけ。
「ははーん。彼、浮気してたのか?」
「……ええっ!?」
思わず声を上げて振り返る。
そこには、冷めた視線で私のスマホを覗き込む橋場さんが立っていた。
「は、橋場さん!?」
「書き起こし、もう終わったみたいだな。余計なことまでしていたようだが」
「……見られてたんですか」