完璧な上司に飼われてます! 〜ズボラ女子の居候日記〜【長編版】
「ま、とにかく……花音はもっと、自分の気持ちに正直になることね」
「正直に?」
「そう。自分なんかじゃつり合わないとか、好きになったら迷惑かも、とか……そんなのどうでもいいじゃない。恋に遠慮なんていらないと思うわ」
お会計を終え、駅へ向かう帰り道。
私の現状を聞き終えた夏希は、まとめるようにアドバイスしてくれた。
さすがは恋愛経験豊富。夏希の言葉に迷いはない。
アスファルトを打つブーツの足音が、その自信を強く印象づけている。
「そうね……確かに私、好きっていう気持ちに無理に蓋してたかも」
「でしょ? 最初から諦めちゃうなんて、もったいないよ。傷つくことから逃げないで、もっとその上司を知ることね」
「橋場さんのことを……もっと知る?」
「うん。誰か他に気になる人がいるのかとか、花音のことをどう思っているかとか……まだまだ不透明なことばかりじゃない」
「確かに……」
さっき夏希が疑問に感じていた、私のことをここまで面倒見る理由や……私の中のモヤモヤの一つである、エマリさんの存在。
夏希の言うように、橋場さんの心の中はまだ何にも見えていない。
「もしかしたら、花音のことがめちゃくちゃタイプだから、居候させてあげてるのかもしれないよ」
「そ、それはないって」
「わからないじゃない。わからないことばかりでしょ? だから、もっと知らないと」
橋場さんのことを、もっと知る……。
踏み込んでしまうと、最悪今の関係さえも壊れてしまう可能性がある。
それが怖くて踏み込めなかったけど、この好きという気持ちが抑えきれないなら……玉砕覚悟で向き合った方がいい。
夏希は、私の心の中を全て見透かした上で、言葉にしてくれた。
いつも的確に、私がすべき行動を示してくれる。
「夏希、ありがとう。やっぱり夏希は、私の唯一の理解者だわ」
「何よ今さら。ま、悩んだらいつでも言って。恋愛関係の相談は、どしどし受けつけるから」
「それは心強い」
「じゃあ私、これから約束あるから。またね」
夏希、きっと男のところへ行くんだな……。
駅のロータリーでタクシーに乗り込むその姿は、優雅そのものだった。
大手金融会社に勤めるだけあって、経済的にも余裕があるみたいだ。
私とは全然違う人生を歩んでいる……羨ましい限りだ。
大学で、初めてできた友達。
地元を離れて、頼れる人が誰もいなかったあの時……夏希の存在だけが救いになっていた。
社会人になった今でも、変わらず接してくれて……本当に、感謝してもしきれないくらいだ。
「自分の気持ちに、正直に……か」
橋場さんへの好意を認めて、向き合う……。
私からしたらちょっとハードルが高いけど、それでもこの気持ちに嘘はつきたくない。
夏希に言われて、見過ごそうとしていた苦しい感情と、戦う決心がついた……気がする。
「橋場さんに、ケーキでも買っていくかな」
とにかく、橋場さんと過ごす時間をもっと増やそう。
そうしたら、自然と橋場さんのことが深く知れていくはずだ。
「正直に?」
「そう。自分なんかじゃつり合わないとか、好きになったら迷惑かも、とか……そんなのどうでもいいじゃない。恋に遠慮なんていらないと思うわ」
お会計を終え、駅へ向かう帰り道。
私の現状を聞き終えた夏希は、まとめるようにアドバイスしてくれた。
さすがは恋愛経験豊富。夏希の言葉に迷いはない。
アスファルトを打つブーツの足音が、その自信を強く印象づけている。
「そうね……確かに私、好きっていう気持ちに無理に蓋してたかも」
「でしょ? 最初から諦めちゃうなんて、もったいないよ。傷つくことから逃げないで、もっとその上司を知ることね」
「橋場さんのことを……もっと知る?」
「うん。誰か他に気になる人がいるのかとか、花音のことをどう思っているかとか……まだまだ不透明なことばかりじゃない」
「確かに……」
さっき夏希が疑問に感じていた、私のことをここまで面倒見る理由や……私の中のモヤモヤの一つである、エマリさんの存在。
夏希の言うように、橋場さんの心の中はまだ何にも見えていない。
「もしかしたら、花音のことがめちゃくちゃタイプだから、居候させてあげてるのかもしれないよ」
「そ、それはないって」
「わからないじゃない。わからないことばかりでしょ? だから、もっと知らないと」
橋場さんのことを、もっと知る……。
踏み込んでしまうと、最悪今の関係さえも壊れてしまう可能性がある。
それが怖くて踏み込めなかったけど、この好きという気持ちが抑えきれないなら……玉砕覚悟で向き合った方がいい。
夏希は、私の心の中を全て見透かした上で、言葉にしてくれた。
いつも的確に、私がすべき行動を示してくれる。
「夏希、ありがとう。やっぱり夏希は、私の唯一の理解者だわ」
「何よ今さら。ま、悩んだらいつでも言って。恋愛関係の相談は、どしどし受けつけるから」
「それは心強い」
「じゃあ私、これから約束あるから。またね」
夏希、きっと男のところへ行くんだな……。
駅のロータリーでタクシーに乗り込むその姿は、優雅そのものだった。
大手金融会社に勤めるだけあって、経済的にも余裕があるみたいだ。
私とは全然違う人生を歩んでいる……羨ましい限りだ。
大学で、初めてできた友達。
地元を離れて、頼れる人が誰もいなかったあの時……夏希の存在だけが救いになっていた。
社会人になった今でも、変わらず接してくれて……本当に、感謝してもしきれないくらいだ。
「自分の気持ちに、正直に……か」
橋場さんへの好意を認めて、向き合う……。
私からしたらちょっとハードルが高いけど、それでもこの気持ちに嘘はつきたくない。
夏希に言われて、見過ごそうとしていた苦しい感情と、戦う決心がついた……気がする。
「橋場さんに、ケーキでも買っていくかな」
とにかく、橋場さんと過ごす時間をもっと増やそう。
そうしたら、自然と橋場さんのことが深く知れていくはずだ。