完璧な上司に飼われてます! 〜ズボラ女子の居候日記〜【長編版】
「花音……?」

「すいません、橋場さん。我慢できなくて」

 恥ずかしさを抱えながらも、私は素直な気持ちを口にした。
 すると橋場さんは口元に笑みを浮かべて、「だから、名前で呼べって」と低く囁き、さっきよりも深いキスを重ねてきた。
 キスを受け止めながら……次からは絶対に下の名前で呼ぶことを決意する。

 唇が触れ合うたびに、自分の中の理性の箍が、ゆっくりと外れていくのがわかった……。

「律人さん……私、したいです」

 勇気を振り絞って告げた瞬間、ソファに押し倒された。
 律人さんは少し乱暴な手つきでワイシャツを脱ぎ始める。
 今まで見たことのなかった男としての一面に、心臓が強く高鳴った。
 インナー姿になった律人さんは、横たわる私の唇を再び奪う。
 さっきよりもずっと激しく、理性を手放すみたいなキス……。

「花音、掴まって」

 有無も言わさず、体がふわりと浮いた。
 お姫様抱っこのまま、そのまま寝室へ。
 宙に浮く感覚に一瞬だけ怖さを覚えたけれど、それ以上に胸の高鳴りの方が勝っていた。

「脱いでくれ」

 ベッドの上で私は小さく頷き、着ていた服に手をかける。
 律人さんもインナーを脱ぎ、上半身が露わになった。
 綺麗に割れた腹筋と、厚みのある胸板……思わず見とれてしまう。
 律人さん……見えないところで、ちゃんと鍛えていたんだな……。

 また、新たな発見ができた。

「花音……好きだ」

 耳元に落ちる吐息に、思わず小さな声が漏れる。
 甘く掠れた声で「声、聞かせて」と囁かれ、頭の中がじんわり痺れた。
 理性が溶けていくみたいに、体が素直に反応してしまう。

「律人さん……」

 唇は耳元から首筋へとゆっくり移っていく……。
 触れ方は優しくて、けれど確実に熱を帯びていた。
 露わになった胸元に触れられた瞬間、体がびくりと跳ねた。
 優しいのに逃がしてくれない触れ方に、声が抑えきれなくなる……。

 律人さんの呼吸も、少し荒くなっているのがわかった。

「律人さん、脱いでください」

 小さく頷き、ベルトを外す仕草はどこか焦っていて、私の興奮度合いも上がる。
 この姿は私だけに見せてくれる……男としての一面だ。

「俺だけじゃ不公平だろ。花音も、な」

 少し笑い合いながら、私も残っていたものを脱ぐ。
 肌と肌の間を遮るものがなくなった瞬間、急に心細さと期待が同時に押し寄せた。
 でも次の瞬間、律人さんが強く抱きしめてくれる。

「律人さん……温かい」

「花音も、温かい」

 お互いの体温を感じたところで、また体を離す。
 シーツに沈み込んだ私の上に影が落ち、再び互いを求める時間が始まった……。
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