完璧な上司に飼われてます! 〜ズボラ女子の居候日記〜【長編版】
「……深夜のカップラーメンが、食べられなくなってもいいのか?」
「あ……やっぱり、ダメですか?」
「冗談だよ。むしろ今度……俺にも美味い食べ方を教えてくれ」
「お安い御用です」
そんな何気ないやり取りに、幸せが込み上げてくる。
これから先も、律人さんと一緒に人生を歩んでいくんだ……そんな未来を自然と思い描けた。
まだ少しだけ残る私のズボラな部分さえ、律人さんは受け入れてくれるみたいだ。
その会話から、律人さんの本気がしみじみと伝わってきた……。
「じゃあ私にも……」
「ん、何だ?」
「今度、秀吉のこと……教えてください」
律人さんは寝室の隅に並べられた秀吉グッズの一角へ視線を向け、「あれは奥が深いぞ」と楽しそうに笑った。
望むところだ。律人さんの好きなものは、私も知りたいし、共有したい。
豊臣秀吉に仕えた石田三成みたいに……これから先もずっと、隣で支えていきたい……。
そんな未来の話を交わしていたら、ふと律人さんは、話題を切り替えた。
「そういえば……次の新卒、ウチの部署にも配属が決まったらしい」
「え、もう配属決まったんですか?」
「まあな。春なんてあっという間に来る。今回は内定者が十人ほどで……その中の一人が“いくぐるめ”配属だ」
「……ついに私も、先輩になるのか」
これ……裸で話す内容かな……。
ただ、不思議と恥ずかしさはない。律人さんが隣にいるだけで、私は私のまま向き合える気がした。
「その新卒、花音の下につかせようと思っている」
「え、私ですか!?」
「そうだ。不満か?」
「いいえ、不満じゃなくて……私で大丈夫なのかなと」
自分のことだけで精一杯だった頃の私を思い出して、少しだけ弱気になる。
「……何度も言うが、花音はもう十分成長した。これからは頼れる先輩になっていけ」
そうだ……律人さんと過ごしてきたこの時間の中で、私は確実に変わることができたんだ……。
人としても、女としても弱気だった私に、自信という種を植えつけてくれたのは律人さんだった。
最初は掃除も片づけも全然できなくて、叱られてばかりの日々。
仕事だって、この性格が災いして適当にこなしてはミスをして、周囲の信頼を失っていた。
それでも律人さんは、根気強く私を育ててくれた……。
見捨てることなく、居候の私を飼い続けてくれたんだ。
その想いと熱意が、痛いほど伝わってきて……いつしか私は、認められたくて必死に向き合うようになっていた。
「その結果が……今」
「今? 何がだ?」
「あ、いや、その……律人さんの部下になれて……本当に、ラッキーだったなって」
律人さんは満更でもなさそうに頬を緩ませ、「まあな」と短く声にした。
これまでの律人さんとの日々を思い返すと、あの頃のズボラ女子だった自分が、まるで別人のように思えた。
「あ……やっぱり、ダメですか?」
「冗談だよ。むしろ今度……俺にも美味い食べ方を教えてくれ」
「お安い御用です」
そんな何気ないやり取りに、幸せが込み上げてくる。
これから先も、律人さんと一緒に人生を歩んでいくんだ……そんな未来を自然と思い描けた。
まだ少しだけ残る私のズボラな部分さえ、律人さんは受け入れてくれるみたいだ。
その会話から、律人さんの本気がしみじみと伝わってきた……。
「じゃあ私にも……」
「ん、何だ?」
「今度、秀吉のこと……教えてください」
律人さんは寝室の隅に並べられた秀吉グッズの一角へ視線を向け、「あれは奥が深いぞ」と楽しそうに笑った。
望むところだ。律人さんの好きなものは、私も知りたいし、共有したい。
豊臣秀吉に仕えた石田三成みたいに……これから先もずっと、隣で支えていきたい……。
そんな未来の話を交わしていたら、ふと律人さんは、話題を切り替えた。
「そういえば……次の新卒、ウチの部署にも配属が決まったらしい」
「え、もう配属決まったんですか?」
「まあな。春なんてあっという間に来る。今回は内定者が十人ほどで……その中の一人が“いくぐるめ”配属だ」
「……ついに私も、先輩になるのか」
これ……裸で話す内容かな……。
ただ、不思議と恥ずかしさはない。律人さんが隣にいるだけで、私は私のまま向き合える気がした。
「その新卒、花音の下につかせようと思っている」
「え、私ですか!?」
「そうだ。不満か?」
「いいえ、不満じゃなくて……私で大丈夫なのかなと」
自分のことだけで精一杯だった頃の私を思い出して、少しだけ弱気になる。
「……何度も言うが、花音はもう十分成長した。これからは頼れる先輩になっていけ」
そうだ……律人さんと過ごしてきたこの時間の中で、私は確実に変わることができたんだ……。
人としても、女としても弱気だった私に、自信という種を植えつけてくれたのは律人さんだった。
最初は掃除も片づけも全然できなくて、叱られてばかりの日々。
仕事だって、この性格が災いして適当にこなしてはミスをして、周囲の信頼を失っていた。
それでも律人さんは、根気強く私を育ててくれた……。
見捨てることなく、居候の私を飼い続けてくれたんだ。
その想いと熱意が、痛いほど伝わってきて……いつしか私は、認められたくて必死に向き合うようになっていた。
「その結果が……今」
「今? 何がだ?」
「あ、いや、その……律人さんの部下になれて……本当に、ラッキーだったなって」
律人さんは満更でもなさそうに頬を緩ませ、「まあな」と短く声にした。
これまでの律人さんとの日々を思い返すと、あの頃のズボラ女子だった自分が、まるで別人のように思えた。