スパダリ救急医はシンデレラと双子ベビーに深愛を注ぐ
プロローグ
一生、忘れられない夜だった。
人生でもっとも幸福で、もっとも残酷な一夜――。
豪華なスイートルームからの夜景をふたりで眺めて、「星空みたいだね」と笑い合う。
それから彼は、クリスマスには本物の星空を見に行こうと言った。
「光莉のクリスマスは俺が予約したから。忘れないで」
「――うん、約束」
はらりと落ちてきたサイドの髪を耳にかけ、光莉はそのまま耳たぶを何度か撫でた。
ふっと優しく笑んだ奏真の、綺麗すぎる顔面が近づく。
「時々してる、光莉のその癖。すごく色っぽい」
「え、癖?」
「それ、首をかしげて耳たぶに触れる仕草」
指摘されるまで自分がそうしているのにも気づいていなかった。完全に無意識の行動だ。光莉がパッと離したその手を、彼の手が優しく包み込む。
「光莉が色っぽすぎるから、そろそろ我慢も限界」
冗談とも本気ともつかない温度でささやいて、奏真は光莉の唇を奪った。
痺れるほどに甘いキスがふたりの夜の始まりを告げる。
ふかふかの広いベッドに背中が沈む。追いかけるように覆いかぶさってきた彼の姿が間接照明のしっとりとした光のなかに浮かんだ。
柚木奏真、二十七歳。
柔和なアーチを描く眉、細く美しい鼻筋、くっきりした二重瞼に琥珀色をした瞳。
一生、忘れられない夜だった。
人生でもっとも幸福で、もっとも残酷な一夜――。
豪華なスイートルームからの夜景をふたりで眺めて、「星空みたいだね」と笑い合う。
それから彼は、クリスマスには本物の星空を見に行こうと言った。
「光莉のクリスマスは俺が予約したから。忘れないで」
「――うん、約束」
はらりと落ちてきたサイドの髪を耳にかけ、光莉はそのまま耳たぶを何度か撫でた。
ふっと優しく笑んだ奏真の、綺麗すぎる顔面が近づく。
「時々してる、光莉のその癖。すごく色っぽい」
「え、癖?」
「それ、首をかしげて耳たぶに触れる仕草」
指摘されるまで自分がそうしているのにも気づいていなかった。完全に無意識の行動だ。光莉がパッと離したその手を、彼の手が優しく包み込む。
「光莉が色っぽすぎるから、そろそろ我慢も限界」
冗談とも本気ともつかない温度でささやいて、奏真は光莉の唇を奪った。
痺れるほどに甘いキスがふたりの夜の始まりを告げる。
ふかふかの広いベッドに背中が沈む。追いかけるように覆いかぶさってきた彼の姿が間接照明のしっとりとした光のなかに浮かんだ。
柚木奏真、二十七歳。
柔和なアーチを描く眉、細く美しい鼻筋、くっきりした二重瞼に琥珀色をした瞳。
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