入学先が、急に変更……?変更先に行ったら、そこはなんと男子校でした1

『 親友と絶交 』

「 親友と絶交 」

「ねぇねぇ、キスされた事あるっ?」

僕の親友、相澤 花音 がそう聞いてきた。

「ん〜、別に?ないけどぉ……」

一回だけ、キスされた事はある。

そう自慢したい気持ちを我慢して、笑みを浮かべる。

僕の名前は、録咲 萌────。

今は4月、もうすぐ高校生になる、入学式の前日の事だ。

「えー、無いのか〜。」

明らかに落胆したような声が聞こえる。

もうそういうのは慣れっ子なので、軽く受け流す。

「まあね〜。そっちはぁ?」

僕も少し花音の恋愛に興味があった。

でもそれを悟られるのは少し不本意なので、興味が無いフリをする。

話の矛先が自分に向かうと、なんとなく嬉しいのか、パッと明るい表情をする花音。

きっとそういう風に分かりやすく感情表現をする方が、男子にモテやすいのだろう。

「なんかねぇ〜、彼氏が────」

長い自慢話が続く。僕は内心舌打ちしながらも、笑顔で相槌を打つ。

こんな自己中とは付き合っていられない。

僕は重症の飽き性だった。

今日、彼女との別れ際に絶交を言う。

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そして別れ際────。

「じゃあねっ!」

満足する会話ができたと思い込み、満面の笑みを交わす────はずだった。

「うん。────じゃあ絶交しよ〜?」

絶交する時は、なるべく相手に恨みを持たれないように、最大限の笑みを浮かべ、何事も無いように話す。

そんな様子の僕に、彼女は聞き間違えだと勘違いするだろう。

「え?」

聞き返す花音。その純粋な疑問符を浮かべた彼女に、罪悪感を覚えたが────、ここで振り返っちゃ駄目だろう。

クスっと笑って、彼女に向ける最後の笑みを作った。

「実は僕、昔から君の事好きじゃなかったんだよねぇ〜。」

残念だねっ。────さようなら。

手を振って、僕は去る。

訳が分からないと呆然と立ち尽くす花音を背に、スキップしながら家に帰った。

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