恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
「あの、なにか……?」
突如巻き起こった不快な拍動を抑え込み、冷静に口を開いた。
すると彼は、私の背後にあるドクターヘリの機体にドンと手をつく。
びくんと体が震えてしまった。腕で囲われ、逃げられない。
視線をゆっくりと前に戻すと、彼は凍てつくような冷たい瞳を私に向けていた。
「君は、本当に龍臣のものなのか?」
普段の彼からはまったく想像できない、低く恐ろしい声。どくり、どくりと暴れ出した心臓の音が、全身に響いてしまう。
それでも、動揺を悟られるわけにはいかない。
「……私は、龍臣さんの妻です」
私は彼の目を見てそう告げると、さっと身をかがめて彼の腕から逃れる。
そして、足早にフライト待機室へと戻った。
フライト待機室内には、先ほどと変わらぬ空気が漂っていた。それでほっと安堵する。
パソコンのほうに目を向けると、龍臣さんはなにかの資料をつくっているようだった。
その真剣な眼差しにも、つい胸が高鳴ってしまう。だけどすぐ、気持ちが落ち込んでしまった。
『私は、龍臣さんの妻です』
お兄さんに、それしか答えられなかった。
私たちの関係は、それ以上でもそれ以下でもないから。
私と龍臣さんは、愛のない見せかけの夫婦だ。
いや、今はそんなことを考えている場合ではない。
やれ仕事だと、私もさっそく棚から今までのフライト履歴の載った資料を取り出す。
と、その時、ドクターヘリ要請のホットラインが部屋内に鳴り響いた。
突如巻き起こった不快な拍動を抑え込み、冷静に口を開いた。
すると彼は、私の背後にあるドクターヘリの機体にドンと手をつく。
びくんと体が震えてしまった。腕で囲われ、逃げられない。
視線をゆっくりと前に戻すと、彼は凍てつくような冷たい瞳を私に向けていた。
「君は、本当に龍臣のものなのか?」
普段の彼からはまったく想像できない、低く恐ろしい声。どくり、どくりと暴れ出した心臓の音が、全身に響いてしまう。
それでも、動揺を悟られるわけにはいかない。
「……私は、龍臣さんの妻です」
私は彼の目を見てそう告げると、さっと身をかがめて彼の腕から逃れる。
そして、足早にフライト待機室へと戻った。
フライト待機室内には、先ほどと変わらぬ空気が漂っていた。それでほっと安堵する。
パソコンのほうに目を向けると、龍臣さんはなにかの資料をつくっているようだった。
その真剣な眼差しにも、つい胸が高鳴ってしまう。だけどすぐ、気持ちが落ち込んでしまった。
『私は、龍臣さんの妻です』
お兄さんに、それしか答えられなかった。
私たちの関係は、それ以上でもそれ以下でもないから。
私と龍臣さんは、愛のない見せかけの夫婦だ。
いや、今はそんなことを考えている場合ではない。
やれ仕事だと、私もさっそく棚から今までのフライト履歴の載った資料を取り出す。
と、その時、ドクターヘリ要請のホットラインが部屋内に鳴り響いた。