恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
急患だろうか。
つい身構え、スマホを耳に押し当てる。しかし、聞こえてきたのは朗らか声だった。
『今ER落ち着いているから、回診終わったらお昼とってきて。鷹臣先生にも伝えてもらえる?』
わかりました、とスマホを切る。
お兄さんは先に医局に戻ったはずだ。
彼の顔を思い浮かべると胸が騒いでしまったが、私はさっさと彼に伝えてからランチに向かおうと心に決め、医局へ向かった。
医局の扉をノックし開く。中にいたのは、お兄さんひとりだった。
「あれ、詩音さんどうしたの?」
「お先にお昼を、ですって」
それだけ伝え、さっさと医局を出ようとした。
しかし、出ることはかなわなかった。
「ちょっと待って」
お兄さんに腕を掴まれてしまったのだ。
「君に聞きたいことがあるんだ」
ドクドクと鼓動が速まる。私はさっさと話を切り上げようと、彼を振り返らずに口を開いた。
「ERのことでしたら、私よりもベテランのナースが何人も――」
「そんなことじゃないって、わからない?」
彼は私の腕を強く引く。それで体が回転し、彼と対峙しなくてはいけなくなった。
つい顔を伏せるも、彼は私を下から覗く。そんな彼の瞳は、真っ黒に染まっていた。
ぞわぞわと、冷たいものが背を伝う。
「君はどうして、龍臣と結婚したの?」
つい身構え、スマホを耳に押し当てる。しかし、聞こえてきたのは朗らか声だった。
『今ER落ち着いているから、回診終わったらお昼とってきて。鷹臣先生にも伝えてもらえる?』
わかりました、とスマホを切る。
お兄さんは先に医局に戻ったはずだ。
彼の顔を思い浮かべると胸が騒いでしまったが、私はさっさと彼に伝えてからランチに向かおうと心に決め、医局へ向かった。
医局の扉をノックし開く。中にいたのは、お兄さんひとりだった。
「あれ、詩音さんどうしたの?」
「お先にお昼を、ですって」
それだけ伝え、さっさと医局を出ようとした。
しかし、出ることはかなわなかった。
「ちょっと待って」
お兄さんに腕を掴まれてしまったのだ。
「君に聞きたいことがあるんだ」
ドクドクと鼓動が速まる。私はさっさと話を切り上げようと、彼を振り返らずに口を開いた。
「ERのことでしたら、私よりもベテランのナースが何人も――」
「そんなことじゃないって、わからない?」
彼は私の腕を強く引く。それで体が回転し、彼と対峙しなくてはいけなくなった。
つい顔を伏せるも、彼は私を下から覗く。そんな彼の瞳は、真っ黒に染まっていた。
ぞわぞわと、冷たいものが背を伝う。
「君はどうして、龍臣と結婚したの?」