恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
「急な話で混乱してるのかな? じゃあ……そうだな、五日間の猶予をあげるよ。その間に龍臣と離婚できたら、父さんにはバラさないであげる」
お兄さんが白い歯を覗かせたとき、扉の向こうから話し声が聞こえてきた。
がちゃりと扉が開き、ERのドクターふたりが談笑しながら入ってくる。
「おお、義理兄妹コンビだ」
ひとりがそう言うと、お兄さんはいつもの笑みをふたりに向ける。
私は慌ててふたりに会釈し、そそくさと医局を出た。
食堂へと早足で向かいながら、私は高鳴る鼓動を抑え込んでいた。
だけど、どんなに呼吸をしてもそれは収まってくれない。ドクドク、ドクドクと嫌なリズムで鳴り続け、私に『離婚』の二文字を突きつけてくる。
まさか、そんなことを要求されるなんて。
食堂に着くと、【日替わり定食:ローストビーフ丼】の文字が目に入った。
だけど、今日はそれを平らげられる気がしない。
本当は、なにも食べたくはない。だけど、食べないと持たない。私はスタミナが勝負の、ERの看護師なのだ。
私はきつねうどんを頼み、ひとりテーブルに向かう。
「詩音!」
聞きなれた友人の声がして、私は慌てて座りうどんを体で隠した。
夏子にローストビーフ丼を頼んでいないのを知られたら、即座にツッコまれるに違いない。
だが、私が危惧していたようなことは起きなかった。
彼女は私の隣にやってくると、深刻な顔で頭を下げてきたのだ。
「詩音、ごめんなさい」
お兄さんが白い歯を覗かせたとき、扉の向こうから話し声が聞こえてきた。
がちゃりと扉が開き、ERのドクターふたりが談笑しながら入ってくる。
「おお、義理兄妹コンビだ」
ひとりがそう言うと、お兄さんはいつもの笑みをふたりに向ける。
私は慌ててふたりに会釈し、そそくさと医局を出た。
食堂へと早足で向かいながら、私は高鳴る鼓動を抑え込んでいた。
だけど、どんなに呼吸をしてもそれは収まってくれない。ドクドク、ドクドクと嫌なリズムで鳴り続け、私に『離婚』の二文字を突きつけてくる。
まさか、そんなことを要求されるなんて。
食堂に着くと、【日替わり定食:ローストビーフ丼】の文字が目に入った。
だけど、今日はそれを平らげられる気がしない。
本当は、なにも食べたくはない。だけど、食べないと持たない。私はスタミナが勝負の、ERの看護師なのだ。
私はきつねうどんを頼み、ひとりテーブルに向かう。
「詩音!」
聞きなれた友人の声がして、私は慌てて座りうどんを体で隠した。
夏子にローストビーフ丼を頼んでいないのを知られたら、即座にツッコまれるに違いない。
だが、私が危惧していたようなことは起きなかった。
彼女は私の隣にやってくると、深刻な顔で頭を下げてきたのだ。
「詩音、ごめんなさい」