恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
ついきょとんとしてしまう。
すると、夏子は私の隣に腰掛けて、声を潜めて話し出した。
「私、鷹臣先生にあのこと――」
しかし、彼女はそこで言葉を止めた。私が顔を伏せてしまったからだと思う。
「もしかして、もうなにか言われたの……?」
心配そうに尋ねてくる夏子に、こくりと頷く。
すると夏子はつぶやくように、だけど私の耳に届く声で言った。
「本当にごめん……。どういうわけか、鷹臣先生に不倫のことバレててさ。詩音のことを問い詰められて、本当のことを言わないと病院内にバラすって脅されて、それで……ごめん」
申し訳なさそうに言う夏子を、私は責めることができなかった。
夏子が彼のことを心から愛しているのは知っていたし、私もどこか彼女を応援する気持ちでいたからだ。
お兄さんを侮れないと思う気持ちはあるけれど、彼女への侮蔑はない。
彼女はずっと、私の一番の看護仲間だ。
私は泣きそうに震える夏子の肩を、ぽんと叩いた。
「大丈夫。……全部、事実だもの」
言いながら、私は自分の心の中で思った。
私と龍臣さんの結婚は、互いの利害一致のためにした、愛のない偽装結婚だ。
離婚したって、痛くも痒くもないはずだ……少なくとも、龍臣さんにとっては。
だったら、私のすべきことはひとつだ。だけど――。
夏子は再び小さな声で「ごめん」とつぶやきよろよろと席を立つ。
私は伸びてしまったうどんをすすりながら、自分の気持ちと彼への思いの間で揺れていた。
すると、夏子は私の隣に腰掛けて、声を潜めて話し出した。
「私、鷹臣先生にあのこと――」
しかし、彼女はそこで言葉を止めた。私が顔を伏せてしまったからだと思う。
「もしかして、もうなにか言われたの……?」
心配そうに尋ねてくる夏子に、こくりと頷く。
すると夏子はつぶやくように、だけど私の耳に届く声で言った。
「本当にごめん……。どういうわけか、鷹臣先生に不倫のことバレててさ。詩音のことを問い詰められて、本当のことを言わないと病院内にバラすって脅されて、それで……ごめん」
申し訳なさそうに言う夏子を、私は責めることができなかった。
夏子が彼のことを心から愛しているのは知っていたし、私もどこか彼女を応援する気持ちでいたからだ。
お兄さんを侮れないと思う気持ちはあるけれど、彼女への侮蔑はない。
彼女はずっと、私の一番の看護仲間だ。
私は泣きそうに震える夏子の肩を、ぽんと叩いた。
「大丈夫。……全部、事実だもの」
言いながら、私は自分の心の中で思った。
私と龍臣さんの結婚は、互いの利害一致のためにした、愛のない偽装結婚だ。
離婚したって、痛くも痒くもないはずだ……少なくとも、龍臣さんにとっては。
だったら、私のすべきことはひとつだ。だけど――。
夏子は再び小さな声で「ごめん」とつぶやきよろよろと席を立つ。
私は伸びてしまったうどんをすすりながら、自分の気持ちと彼への思いの間で揺れていた。