恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
そんな兄に思いを伝えるべく、俺は口を開いた。
「詩音は、金だの名声だのに縋るような女じゃない。健気で頑張り屋で、使命感のあるナースだ。だから、俺は彼女に惚れたんだ」
すると、腕の中の彼女がぴくりと震える。同時に、兄さんが自嘲するように笑った。
「それは、僕もわかっているよ。一緒に仕事をして、ちゃんと伝わってきた。彼女が龍臣の言う通りのナースだってことも、ふたりが心から尊敬して信頼し合っているってことも」
それから、兄さんはしっかりとこちらを見て言った。
「父さんには、ふたりの愛は本物だって伝える。宇田川病院への勧誘も、もう口にしない。約束するよ」
「俺たちの邪魔も、もう二度とするな」
そう告げると、兄さんは天井を見見上げた。
「あーあ、本当に離れていっちゃうんだね、龍臣。でも――」
独り言のような言葉はそこで一度区切られ、兄さんはこちらを見た。
「この間は言えなかったけれど、結婚おめでとう」
そう言う兄さんは、どこか懐かしい、優しい兄の顔をしている。
そんな顔に戸惑いなにもできないでいると、兄さんはこちらにやって来た。
それから、俺の横で立ち止まる。
詩音を抱く腕に力を込めたが、兄さんの手が伸びてきたのは俺の頭だった。
「詩音は、金だの名声だのに縋るような女じゃない。健気で頑張り屋で、使命感のあるナースだ。だから、俺は彼女に惚れたんだ」
すると、腕の中の彼女がぴくりと震える。同時に、兄さんが自嘲するように笑った。
「それは、僕もわかっているよ。一緒に仕事をして、ちゃんと伝わってきた。彼女が龍臣の言う通りのナースだってことも、ふたりが心から尊敬して信頼し合っているってことも」
それから、兄さんはしっかりとこちらを見て言った。
「父さんには、ふたりの愛は本物だって伝える。宇田川病院への勧誘も、もう口にしない。約束するよ」
「俺たちの邪魔も、もう二度とするな」
そう告げると、兄さんは天井を見見上げた。
「あーあ、本当に離れていっちゃうんだね、龍臣。でも――」
独り言のような言葉はそこで一度区切られ、兄さんはこちらを見た。
「この間は言えなかったけれど、結婚おめでとう」
そう言う兄さんは、どこか懐かしい、優しい兄の顔をしている。
そんな顔に戸惑いなにもできないでいると、兄さんはこちらにやって来た。
それから、俺の横で立ち止まる。
詩音を抱く腕に力を込めたが、兄さんの手が伸びてきたのは俺の頭だった。