恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
「本当にごめん。でも、いつか絶対に花嫁姿を見せるからね。だからまだ、いなくならないで」
元気になって、長生きしてほしい。
そんな思いを込めて、眠ったままの祖母に話しかける。
だが口にすると、それがより虚構であるように思えてしまい、胸が苦しくなった。
私に、恋なんてできるのだろうか。
ICUでの面会時間は限られている。私は名残惜しさ感じながら、そこを出た。
手元のお守りは、ずいぶんとしわくちゃになっていた。
私は歩きながら、祖母が元気になりますようにと願いを込めてその布をぴんと伸ばす。
「守山」
不意に廊下の向こうから声をかけられ、肩がぴくっと震えた。
その冷淡な声の主は、顔を見ずとも誰かわかる。
「宇田川先生……」
言いながら、顔を上げた。
どうして、彼がここにいるのだろう。
彼はこちらに近づいてくる。
私は弱気な自分を彼に見せたくなくて、動揺を隠し頭を下げた。
「ありがとうございました。おかげさまで、祖母は助かりました」
「そうか、よかった」
宇田川先生がそうつぶやいたような気がして、弾かれたように頭を上げた。
彼の口から飛び出るような言葉じゃない。
しかし、彼の口元は少し綻んでいるように見える。
もしかして、本当にそう言ったの?
不思議に思っていると彼の笑みはすぐに消え、次の瞬間にはいつもの無表情で口を開いた。
元気になって、長生きしてほしい。
そんな思いを込めて、眠ったままの祖母に話しかける。
だが口にすると、それがより虚構であるように思えてしまい、胸が苦しくなった。
私に、恋なんてできるのだろうか。
ICUでの面会時間は限られている。私は名残惜しさ感じながら、そこを出た。
手元のお守りは、ずいぶんとしわくちゃになっていた。
私は歩きながら、祖母が元気になりますようにと願いを込めてその布をぴんと伸ばす。
「守山」
不意に廊下の向こうから声をかけられ、肩がぴくっと震えた。
その冷淡な声の主は、顔を見ずとも誰かわかる。
「宇田川先生……」
言いながら、顔を上げた。
どうして、彼がここにいるのだろう。
彼はこちらに近づいてくる。
私は弱気な自分を彼に見せたくなくて、動揺を隠し頭を下げた。
「ありがとうございました。おかげさまで、祖母は助かりました」
「そうか、よかった」
宇田川先生がそうつぶやいたような気がして、弾かれたように頭を上げた。
彼の口から飛び出るような言葉じゃない。
しかし、彼の口元は少し綻んでいるように見える。
もしかして、本当にそう言ったの?
不思議に思っていると彼の笑みはすぐに消え、次の瞬間にはいつもの無表情で口を開いた。