恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
温かくて、大きなもの。
なんだろうと思って、視線だけ上に動かす。
どきりと胸が大きく鳴ってしまった。宇田川先生の手だったのだ。
「不安は抱え込むな。看護師だって人間だ。俺でよければ、聞く」
思いもよらぬ言葉を告げられ、つい目を見開く。だがその間にも、彼は続けた。
「守山、その様子じゃ飯も食わないだろう。行くぞ」
「え……?」
呆然としてしまったが、彼はそのまま踵を返して歩き出してしまう。
「あ、あの!」
慌てて追いかけると、彼はこちらを振り返る。その瞬間、宇田川先生がほっと笑ったような気がした。
先ほどまでICUの前にいたはずなのに、今、私の前ではジュージューという音を立て、肉が焼けている。
ここは静和大学附属病院から歩いて十分ほどのところにある、高級焼肉店だ。
間接照明がおしゃれな高級感あふれるこの場所は、半個室。どうやら、人目を気にせずに〝肉を食え〟ということらしい。
私は肉が好きなことを公言している。宇田川先生もそれを知っていて連れてきてくれたのだろうけれど、今はどうしてもお腹が空かない。
どんなに高級な肉だろうと、喉を通りそうにない。
そもそも、宇田川先生はなぜ、急に私を高級焼肉に連れてきてくれたのだろう。
疑問に思っていると、彼はお肉をひっくり返しながら言った。
「今日食べないと、明日も食べられないぞ。医者も看護師も、他のどんな仕事の人だって、体が資本だろう」
なんだろうと思って、視線だけ上に動かす。
どきりと胸が大きく鳴ってしまった。宇田川先生の手だったのだ。
「不安は抱え込むな。看護師だって人間だ。俺でよければ、聞く」
思いもよらぬ言葉を告げられ、つい目を見開く。だがその間にも、彼は続けた。
「守山、その様子じゃ飯も食わないだろう。行くぞ」
「え……?」
呆然としてしまったが、彼はそのまま踵を返して歩き出してしまう。
「あ、あの!」
慌てて追いかけると、彼はこちらを振り返る。その瞬間、宇田川先生がほっと笑ったような気がした。
先ほどまでICUの前にいたはずなのに、今、私の前ではジュージューという音を立て、肉が焼けている。
ここは静和大学附属病院から歩いて十分ほどのところにある、高級焼肉店だ。
間接照明がおしゃれな高級感あふれるこの場所は、半個室。どうやら、人目を気にせずに〝肉を食え〟ということらしい。
私は肉が好きなことを公言している。宇田川先生もそれを知っていて連れてきてくれたのだろうけれど、今はどうしてもお腹が空かない。
どんなに高級な肉だろうと、喉を通りそうにない。
そもそも、宇田川先生はなぜ、急に私を高級焼肉に連れてきてくれたのだろう。
疑問に思っていると、彼はお肉をひっくり返しながら言った。
「今日食べないと、明日も食べられないぞ。医者も看護師も、他のどんな仕事の人だって、体が資本だろう」