恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
「まさか、宇田川先生が守山ちゃんを射止めちゃうとはね。本当に彼は、腹の読めない男だよ」
彼はそう言って、豪快に笑う。
こんな時に限って、ベイショアERに急患がおらず、のんびりとしているのはなぜだろう。
いや、そのほうが平和でいいのだけれど。
龍臣さんはフライト待機室にいるのだろうか。彼がここにいないのが、まだ救いだ。
私は愛想笑いを浮かべ、ナースステーションの奥の棚に向かった。さっさと業務を開始したい。
だが、そこには今日のフライトナースである管野さんがいた。
彼は以前祖母が倒れた時にフライト当番を代わってくれた、優しくて頼りになるお兄さんのような看護師だ。
「守山、おはよう。あ、もう守山じゃないのか。でも〝宇田川〟とは、ちょっと呼びにくいな」
彼は苦笑いをこぼす。
「職場では旧姓を使いますので、どうぞこれからも今まで通り〝守山〟と呼んでください」
私がそう言った時、ドクターヘリのホットラインが鳴った。彼はすぐに目の色を変えて、階段に走っていってしまう。
「忙しくなりそうね。なれそめは、また後で聞かせてちょうだい」
横居さんはそう言って、私の背後を通過していった。
それから二日。
私と龍臣さんの結婚は、静和大学附属病院内全部に広まっていた。行く先々で『あ、宇田川先生の……』という視線を向けられる。
祖母のお見舞いに行くと、祖母は『作業療法士さんにも話したのよ』と嬉しそうに教えてくれた。
どうやら、私たちの結婚が広まったのはベイショアERの皆のせいだけではなかったらしい。
彼はそう言って、豪快に笑う。
こんな時に限って、ベイショアERに急患がおらず、のんびりとしているのはなぜだろう。
いや、そのほうが平和でいいのだけれど。
龍臣さんはフライト待機室にいるのだろうか。彼がここにいないのが、まだ救いだ。
私は愛想笑いを浮かべ、ナースステーションの奥の棚に向かった。さっさと業務を開始したい。
だが、そこには今日のフライトナースである管野さんがいた。
彼は以前祖母が倒れた時にフライト当番を代わってくれた、優しくて頼りになるお兄さんのような看護師だ。
「守山、おはよう。あ、もう守山じゃないのか。でも〝宇田川〟とは、ちょっと呼びにくいな」
彼は苦笑いをこぼす。
「職場では旧姓を使いますので、どうぞこれからも今まで通り〝守山〟と呼んでください」
私がそう言った時、ドクターヘリのホットラインが鳴った。彼はすぐに目の色を変えて、階段に走っていってしまう。
「忙しくなりそうね。なれそめは、また後で聞かせてちょうだい」
横居さんはそう言って、私の背後を通過していった。
それから二日。
私と龍臣さんの結婚は、静和大学附属病院内全部に広まっていた。行く先々で『あ、宇田川先生の……』という視線を向けられる。
祖母のお見舞いに行くと、祖母は『作業療法士さんにも話したのよ』と嬉しそうに教えてくれた。
どうやら、私たちの結婚が広まったのはベイショアERの皆のせいだけではなかったらしい。