恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
再び彼の車に揺られ、やってきたのは近所の大型スーパーだ。
明日の朝ご飯など、食材の買い出しだけしたい。
そう思って食品売り場をしばらく回っていると、不意に隣の食器コーナーが目に入り、私は足を止めてしまった。
父と母が持っていた夫婦茶碗に似た茶碗が、そこにあったのだ。
白地に青色の模様が描かれた器と、赤色の模様が描かれた器。
ふたつが並んでいるのを見ていると、もう二十年近くも昔の、母とのやりとりと思い出してしまう。
小学生になりたての頃だったと思う。
ひとりっ子だった私は父と母のお揃いの茶碗が羨ましくて、それと同じ柄のものが欲しいと母にせがんだ。
『これは夫婦茶碗っていうの。将来、詩音が大切な人と巡り合って結婚したときに、その人とお揃いで買うものなのよ』
母はそう言って、私の頭を撫でてくれた。
忘れていた家族の記憶が、急に脳裏に蘇る。
「なにか、気になるものでもあったのか?」
急に耳元で龍臣さんの声が聞こえて、はっと我に返った。
「いえ、大丈夫です!」
しかしそう言った時には彼はすでに方向転換し、私の視線のほうへと歩き出していた。
慌ててついてゆくと、彼は私の見ていた青色の柄の茶碗を手に取った。
「ペアなのか。いいな、こういうの」
彼はしげしげとそれを見つめる。
明日の朝ご飯など、食材の買い出しだけしたい。
そう思って食品売り場をしばらく回っていると、不意に隣の食器コーナーが目に入り、私は足を止めてしまった。
父と母が持っていた夫婦茶碗に似た茶碗が、そこにあったのだ。
白地に青色の模様が描かれた器と、赤色の模様が描かれた器。
ふたつが並んでいるのを見ていると、もう二十年近くも昔の、母とのやりとりと思い出してしまう。
小学生になりたての頃だったと思う。
ひとりっ子だった私は父と母のお揃いの茶碗が羨ましくて、それと同じ柄のものが欲しいと母にせがんだ。
『これは夫婦茶碗っていうの。将来、詩音が大切な人と巡り合って結婚したときに、その人とお揃いで買うものなのよ』
母はそう言って、私の頭を撫でてくれた。
忘れていた家族の記憶が、急に脳裏に蘇る。
「なにか、気になるものでもあったのか?」
急に耳元で龍臣さんの声が聞こえて、はっと我に返った。
「いえ、大丈夫です!」
しかしそう言った時には彼はすでに方向転換し、私の視線のほうへと歩き出していた。
慌ててついてゆくと、彼は私の見ていた青色の柄の茶碗を手に取った。
「ペアなのか。いいな、こういうの」
彼はしげしげとそれを見つめる。