恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
「別に、それが欲しいと思ったわけじゃないですからね」
私は焦りつつ言った。
夫婦茶碗は、『大切な人と巡り合って結婚したときに、その人とお揃いで買うもの』だ。
龍臣さんと結婚はしたけれど、これはあくまで利害が一致しただけの偽装結婚だ。
彼とは、幼い頃に私が見ていた父母のような、仲のよい夫婦にはなれないと思う。
それなのに。
「俺が欲しいと思ったんだ。お揃いで買わないか?」
「え?」
面食らっていると、彼は淡々と続けた。
「俺たちだって夫婦だ。互いに医療従事者として、指輪を贈るのはどうかと悩んでいたんだが、これならペアで持つことができる」
まさか、彼がそんなことを考えていたとは。
指輪など、偽装の関係だから当たり前にないものだと思っていたが、彼はどうやら悩んでいたらしい。
確かに、茶碗なら仕事の邪魔にならず実用的だし、そこまで値も張らない。
だけど、本当にいいのだろうか。
「皿は家にたくさんあるが、詩音のものがあってもいいだろう。箸やカップもついでに買おうか」
龍臣さんは私が悩んでいる間に赤い柄のほうも手に取り、近くにあった籠に入れてそれを持つ。
そのまま食器売場にずんずん入っていく彼に、私は思わず声を上げた。
「箸もカップも、家にありますから!」
私は焦りつつ言った。
夫婦茶碗は、『大切な人と巡り合って結婚したときに、その人とお揃いで買うもの』だ。
龍臣さんと結婚はしたけれど、これはあくまで利害が一致しただけの偽装結婚だ。
彼とは、幼い頃に私が見ていた父母のような、仲のよい夫婦にはなれないと思う。
それなのに。
「俺が欲しいと思ったんだ。お揃いで買わないか?」
「え?」
面食らっていると、彼は淡々と続けた。
「俺たちだって夫婦だ。互いに医療従事者として、指輪を贈るのはどうかと悩んでいたんだが、これならペアで持つことができる」
まさか、彼がそんなことを考えていたとは。
指輪など、偽装の関係だから当たり前にないものだと思っていたが、彼はどうやら悩んでいたらしい。
確かに、茶碗なら仕事の邪魔にならず実用的だし、そこまで値も張らない。
だけど、本当にいいのだろうか。
「皿は家にたくさんあるが、詩音のものがあってもいいだろう。箸やカップもついでに買おうか」
龍臣さんは私が悩んでいる間に赤い柄のほうも手に取り、近くにあった籠に入れてそれを持つ。
そのまま食器売場にずんずん入っていく彼に、私は思わず声を上げた。
「箸もカップも、家にありますから!」