恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
「ウェディングドレスがいい? それとも、白無垢か?」

 彼はどうやら、真剣に考えていたらしい。彼の表情と声色は、仕事の時と同じだ。

 真面目すぎる彼の表情を見ていると、つい彼のタキシード姿や袴姿を想像してしまう。
 顔立ちが整っておりスタイルもいい彼だから、きっと似合うだろう。

 いやいや、なにを想像しているの! これはあくまで、〝私の〟衣装の話だ。

「祖母に相談してからでもいいですか?」

 頭の中に抱いてしまった妄想を消し去り、冷静になって答える。すると、彼は淡々と「ああ」と返してくれた。

「早めに決めよう。時子さんが喜ぶような式を、詩音と一緒に考えたい」

「はい」

 彼の言葉にそう答え、私は残りのお肉を頬張った。

 胸がドキドキと高鳴ってしまったのは、きっとなにかの錯覚だ。
 彼は私のパートナーとして、親身になって考えてくれているだけなのだから。

 翌日の朝、私はすっきりと目覚めることができた。

 私はきっと、どこでもぐっすりと眠れる人種なのだろう。
 当直の時は病院のベッドで横になることも多い看護師という職業は、その点天職かもしれない。

 身支度を整えて部屋を出ると、コーヒーの香りが鼻をくすぐった。ダイニングで、龍臣さんがコーヒーを嗜んでいたのだ。

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