恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
 黄色い布にヘリコプターの刺繍が施されたこれは、フライトナースを志した時に祖母が縫ってくれた、世界にひとつだけのお守りだ。

 私はそれを握り外来受付へと向かいながら、改めて自分の使命を思い出す――。

 中学生の頃、両親を交通事故で亡くした。その後、私は父方の祖母に引き取られ、この海辺の街で育った。

 ある日、私はテレビの特集でドクターヘリを知った。
 もしこの制度があの事故の日にあったら、父も母も助かったかもしれない。だったら、医者に――フライトドクターになりたい。

 そんな思いが巻き起こったが、医療の道に進むにはお金がかかりすぎる。
 祖母に迷惑はかけられないと、私は祖母の家の近くにあった看護専門学校に入学し、せめて看護師になることを志した。

 フライトドクターの隣にいる、フライトナースを目指そうと思ったのだ。

 看護師試験を無事通過し、看護師となった私はフライナースになるため、ドクターヘリを所有する病院へ就職した。
 しかし、そこでの配属は外来看護師。なかなか思うように動けない毎日だった。

 そんな中、地元の静和大学附属病院に、救急医療センターが設置されるという話を聞いた。
 しかも、ドクターヘリの運行も目指しているという。

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