恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
 私はこの機会を逃すまいと、四年前にこの病院に転職した。
 二年前にERに配属され、それから半年後、念願のフライトナースになることができた。

 そんな私の使命は、〝救えなかった命〟をなくすことだ。

 ナースは医師のように診断を下したり、手術を執刀したりできるわけじゃない。
 むしろ、フライトナースには患者家族や消防、病院との連携など、後方支援的な仕事が多い。

 それをひとつひとつ的確に判断し、スムーズな連携を図ることだって、命を救うには大切なことだ。

 私はこの病院で、最年少でフライトナースに拝命されたらしい。
 だけど、そんなことは関係ない。よりよいケアができるよう、看護師として努めるのみだ。

 ――このお守りは、フライトナースになれるようにと祖母がつくってくれたものだけれど、今はフライトナースとして、より多くの命を繋げますようにという思いを私は込めている。

 フライトナースになれた時の喜んでくれた祖母の顔を思い出しながら、私は従業員通路へ入った。

 外来診察室奥の従業員通路に出ると、背後から声をかけられた。

「詩音! おばあちゃんの様子、見にきたの?」

 循環器科のナース、内海(うつみ)夏子(なつこ)だ。
 彼女は専門学校時代からの友人で、専門学校を出てからずっと静和大学附属病院に勤めている。

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