恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
 当直もあるドクターとナースの共同生活。
 すれ違いも多いと思っていたが、なぜかそんなこともなかった。

 ドクター側と看護主任が、わざと私たちのシフトを被せているらしいのだ。

 私たちが新婚だから気を回してくれているらしいが、ありがたいとは言いづらい。
 家でのちょっとした彼との出来事を、職場でも思い出してしまうのだ。

 だけど、そんな本心を伝えるわけにもいかない。

 私たちが偽装の関係だと職場でバレてしまったら、祖母の耳にも入ってしまうだろう。
 それだけは、絶対に避けたい。

 龍臣さんは私の仕事終わりに合わせ、いつもナースステーションに私を迎えにくる。
 そのせいで、龍臣さんは〝意外と愛のある旦那様〟という説がベイショアER内で定着し始めていた。

 周りの私たちを見る目も、うっとりしている時がある……気がする。

 彼が迎えに来るのは、祖母の見舞いのため。その後一緒に帰るけれど、それ以上に深い意味はない。

 だけど、私は周りの目があまり気にならなくなっていた。彼が真面目な優しい人だと、気づいたからだと思う。

 春本番のような陽気の続く、四月中旬。
 互いに仕事が休みの今日、私は龍臣さんとともに静和大学附属病院へ向かっていた。
 今日は主治医である芦田先生から、祖母の状態についての説明があるのだ。

 改めて医師から状況を聞くということに、少し緊張してしまう。
 だけど、お見舞いに行くと祖母はいつも元気だ。だからきっと、このまま退院できるだろうと思う。

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