恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
「当たり前だろう、新婚なんだ」
龍臣さんは私の腰を抱く力を少し強める。それで安心したけれど、今度はなにか違和感が胸の中に生まれた。
龍臣さんはどうして、わざわざお兄さんにそんなことを言うのだろう。
彼はいつも、お兄さんの言葉に反応しない。お兄さんに話しかけられても、嫌そうな顔をするだけだ。
なのに、今日に限ってこんなこと――。
だが、そこでふと思う。
そもそも、どうしてお兄さんと一緒にここに来たのだろう。龍臣さんなら、お兄さんをかわしてここに来そうなのに。
お兄さんは相変わらずこちらに笑みを向けている。だがその顔が、あの日の笑みと重なった。ぞわりと、胸が騒ぐ。
だがそれで、やっと理解した。
これはお兄さんに怪しまれないようにするための、龍臣さんの演技なのだ、と。
そうだと理解してしまえば、やることはひとつ。彼のために、私も愛している演技をしなくては。
「嬉しいです、龍臣さん」
わざと彼に寄り添ったが、胸の端のほうがちょっとだけ、ちりちりと痛んだ。
ベイショアERの出入り口に着く。
「詩音さんは、今日はありがとう。一日目、とても勉強になったよ」
お兄さんがそう言うと、龍臣さんが私をぐっと抱き寄せた。
それでこれが演技なんだとより意識してしまい、虚しさが胸を襲う。
龍臣さんは私の腰を抱く力を少し強める。それで安心したけれど、今度はなにか違和感が胸の中に生まれた。
龍臣さんはどうして、わざわざお兄さんにそんなことを言うのだろう。
彼はいつも、お兄さんの言葉に反応しない。お兄さんに話しかけられても、嫌そうな顔をするだけだ。
なのに、今日に限ってこんなこと――。
だが、そこでふと思う。
そもそも、どうしてお兄さんと一緒にここに来たのだろう。龍臣さんなら、お兄さんをかわしてここに来そうなのに。
お兄さんは相変わらずこちらに笑みを向けている。だがその顔が、あの日の笑みと重なった。ぞわりと、胸が騒ぐ。
だがそれで、やっと理解した。
これはお兄さんに怪しまれないようにするための、龍臣さんの演技なのだ、と。
そうだと理解してしまえば、やることはひとつ。彼のために、私も愛している演技をしなくては。
「嬉しいです、龍臣さん」
わざと彼に寄り添ったが、胸の端のほうがちょっとだけ、ちりちりと痛んだ。
ベイショアERの出入り口に着く。
「詩音さんは、今日はありがとう。一日目、とても勉強になったよ」
お兄さんがそう言うと、龍臣さんが私をぐっと抱き寄せた。
それでこれが演技なんだとより意識してしまい、虚しさが胸を襲う。