ぼくと世界とキミ
「俺はセリアが好きだ」
その俺の言葉にセリアは微かに体を震わせると、それから静かに顔を上げ涙の溢れる瞳で俺を見つめた。
「俺はセリアが好きだ」
彼女の涙の溢れる瞳を真っ直ぐに見つめたまま、もう一度同じ言葉を繰り返す。
するとセリアはカタカタと桜色の唇を震わせ、強く俺を服を握り締めた。
「私も……ロイが好き……大好き」
震え擦れたセリアの答えに、胸がツキンと小さく痛む。
大好きな愛しい彼女のその答えを嬉しいと感じると共に、何故が胸が切ない痛みを訴え続けた。
「……でも……でも……」
声を詰まらせるセリアがその先を話す事は無く、セリアは小さな肩を震わせて泣き続ける。
「一つだけ……教えてくれ」
その俺の呟きにセリアはそっと顔を上げた。
「俺は……世界を救えるか?」
その問いかけにセリアは大きく目を見開き、それからボロボロと涙を流しながら、何度も……何度も頷いた。
その彼女の答えに満足そうに頷いて返すと、ニッコリを笑みを浮かべて見せる。
「じゃあ……笑ってよ?」
そう言って指でそっとセリアの涙を拭うと、セリアは震える瞳で俺を真っ直ぐに見つめた。
「俺が必ず世界を救って見せるから」
その俺の言葉にセリアは更に瞳を開くと、コクンと小さく頷いて答える。
「……約束だ」
そう言ってニヤリと笑うと、セリアの目の前に小指を立てた。
《指切り》はセレリアの遠き昔から変わらない《約束》の儀式。
変わらない《約束》を互いに《誓い合う》
セリアは暫く立てられたままの俺の小指を見つめると、少し戸惑いながら小さく溜息を吐き……それからゆっくりと小指を絡めた。
「……約束」
セリアはそう小さく呟くと、涙を流したまま優しく笑う。
その笑顔は俺が今まで見たどんな笑顔よりも……美しく愛おしいと思った。