ぼくと世界とキミ

「俺はセリアが好きだ」

その俺の言葉にセリアは微かに体を震わせると、それから静かに顔を上げ涙の溢れる瞳で俺を見つめた。

「俺はセリアが好きだ」

彼女の涙の溢れる瞳を真っ直ぐに見つめたまま、もう一度同じ言葉を繰り返す。

するとセリアはカタカタと桜色の唇を震わせ、強く俺を服を握り締めた。

「私も……ロイが好き……大好き」

震え擦れたセリアの答えに、胸がツキンと小さく痛む。

大好きな愛しい彼女のその答えを嬉しいと感じると共に、何故が胸が切ない痛みを訴え続けた。

「……でも……でも……」

声を詰まらせるセリアがその先を話す事は無く、セリアは小さな肩を震わせて泣き続ける。

「一つだけ……教えてくれ」

その俺の呟きにセリアはそっと顔を上げた。

「俺は……世界を救えるか?」

その問いかけにセリアは大きく目を見開き、それからボロボロと涙を流しながら、何度も……何度も頷いた。

その彼女の答えに満足そうに頷いて返すと、ニッコリを笑みを浮かべて見せる。

「じゃあ……笑ってよ?」

そう言って指でそっとセリアの涙を拭うと、セリアは震える瞳で俺を真っ直ぐに見つめた。

「俺が必ず世界を救って見せるから」

その俺の言葉にセリアは更に瞳を開くと、コクンと小さく頷いて答える。

「……約束だ」

そう言ってニヤリと笑うと、セリアの目の前に小指を立てた。

《指切り》はセレリアの遠き昔から変わらない《約束》の儀式。

変わらない《約束》を互いに《誓い合う》

セリアは暫く立てられたままの俺の小指を見つめると、少し戸惑いながら小さく溜息を吐き……それからゆっくりと小指を絡めた。

「……約束」

セリアはそう小さく呟くと、涙を流したまま優しく笑う。

その笑顔は俺が今まで見たどんな笑顔よりも……美しく愛おしいと思った。
< 252 / 347 >

この作品をシェア

pagetop