ぼくと世界とキミ

「俺は世界を救えても……お前は救えなかった」

……一番大切なモノを。

……一番守りたかった人を。

その俺の言葉にセリアは小さく首を横に振って見せる。

「貴方は私を救ってくれた」

そう言ってセリアは優しく微笑んだ。

セリアの体は見る見るうちに淡い光に変わり、闇に溶ける様に消えていく。

消えていくセリアの左手を、引き留める様にそっと掴んだ。

「……行くなよ」

彼女を困らせると分かっていた。

でも……言わずにはいられなかった。

縋る様にセリアの手を握る。

ただ強く、絶対に離れないようにと。

「……ロイ」

小さく名を呼ばれそっと顔を上げると……セリアの顔が近付いてくるのが分かった。

ほんの一瞬、唇と唇が触れ合う。

二人の……最初で最後の口付け。

……恥ずかしくなかった。

でもそれは別れの合図の様で……苦しい程に胸を締め付ける。
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