ぼくと世界とキミ

……だが、彼女に触れる事はできない。

彼女は悲しそうな顔をすると、空気に溶けるかの様に消えてしまった。

彼女に触れようと伸ばした自分の手を見つめた。

そこには……クリスタルの指輪が悲しく光る。




……世界樹の見せる幻。


……儚く美しい夢。


世界樹が悲しそうに揺れた。







……それでもいいんだ。

指輪をそっと握り締める。
< 345 / 347 >

この作品をシェア

pagetop