妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
カロッサ公爵家を出発してから四日目の朝。
馬車の点検を終えたオスカーが、地図を確認しながら言った言う。
「今日の夕方にはリストン村に到着します」
メレディスはほっとして、微笑んだ。
「問題なく到着しそうでよかったわ」
「はい。ですが問題が。宿の主人から聞いた話だと、最近この先の街道で最近野盗が出るそうです」
「野党野盗が?」
「はい。念の為、何人か護衛を雇いましょうか」
護衛を雇うには費用がかかる。公爵家を出た今のメレディスには経済的な余裕があまりないから、オスカーは迷っているようだ。
彼の提案を受けて、メレディスは静かに考え込んだ。
住民が持つ情報を無下にしてはいけないと、父が言っていたのを思い出す。野盗が出る可能性は高い。
オスカーは幼い頃から騎士としての訓練を積んだ優秀な護衛だが、ひとりではメレディスとレオナふたりを守り切るのは難しいかもしれない。
メレディスとレオナも護身術の心得はあるが、ふたりとも実践の経験はない。
(それに今の私は……)
メレディスは手を握り締めて力を込めた。けれど両手とも震えてしまい力が入らない。
異形症の初期症状だ。これではまともに剣を握ることすらできない。
いざ事が起きたとき、間違いなく足でまといになるだろう。
「オスカー、護衛を数人雇いましょう」
メレディスは、オスカーに指示を出した。
複数の護衛のの存在は、野盗に対する抑止力にもなるはずだだろうから。
まさかこの決断が、危機を呼ぶとは思ってもいなかっ。
お金を惜しんで、安全を疎かにしてはいけない。
「オスカー、護衛を数人雇いましょう」
メレディスは決断して、オスカーに指示を出した。