妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
二章 王弟との出会い
 宿を出てしばらくすると、開けた街道に合流した。

「この辺りに野盗が出るという話なのよね」

 窓の外を眺めていたメレディスは、漠然とした不安を覚えて表情を曇らせた。

 幅が広い道の片側は暗い森が広がり、もう片側は殺風景な大地が続いている。

 レオナが憂鬱そうに眉をひそめた。

「なんとも寂しい景色ですね……森は不気味な雰囲気だし」

 メレディスも同じ感想だった。リストン村への唯一の道だから通るしかないが、出来れば近づきたくないと思う。

「こんな景色なら見えない方がましですね」

 レオナは窓のカーテンを引いて、視界を遮断した。

「オスカーは大丈夫かしら」
「弟は図太いから心配要りません。お嬢様が護衛を雇ってくれましたし」
「教えてくれた宿屋の主人には感謝しないといけないわね」

 しかしメレディスがそう答えた次の瞬間、耳障りな大きな音がして馬車が大きく揺れた。

「お嬢様!」

 レオナがメレディスを守ろうと覆いかぶさってくる。

 馬車は激しく揺れた後止まったが、続いて金属がぶつかり合うような音と怒声が響く。

 外で戦闘が始まったのだ。

 メレディスの心臓が大きく跳ねる。

(まさか襲撃?)

 急ぎカーテンを開けて外の様子を窺うと、馬車の周りは武器を持った男たちに囲まれ、剣を抜いたオスカーが応戦しているところだった。
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