妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
異形症は感染する病ではないが、周囲の人々は身近ではない病を恐れメレディスを避けるようになった忌憚した。
特に異母妹は、奇病を患った者と同じ屋敷で暮らすのが怖いと騒ぎ、公爵にメレディスを追い出すように激しく迫った。異母妹だけでなく使用人たちの中にも公爵邸で働くのを不安がる者もがいた。
その様子を見たメレディスは、深く傷ついた。そして数日悩んだ末に家を出ることを決心したのだ――。
「せめて公爵様がご健在でいいらっしゃったら、こんな酷い扱いは許さなかったはずだ。なぜこんなときに問題が起きるんだ」
護衛のオスカーも、険しい表情で吐き捨てた。
彼とレオナとオスカーは、メレディスの乳母の息子と娘で、幼い頃からそば側に仕えてくれている。使用人ではあるが、幼馴染として心をが許せる存在だ。彼らは奇病を発症してからも変わらず、屋敷を出るメレディスに当然のように付いて行くついていくと言ってくれた。
家族と婚約者に見捨てられ、人々に手のひらを返されたのは辛かったけれど、ふたりがそば側に居てくれたから、なんとか気持ちを保っていられる。
「レオナ、オスカー、レオナ、ありがとう。出発前にお父様にご挨拶が出来ないのは残念だけれど、領体調が優れないのだから地で問題が起きたのだから仕方がないわ。無理をして困っている領民ほしくたちを放ってはおけないもの」
昨夜、領地で大規模な火災が起きたと急報が入った。父とは昨夜、別れを済ませたメレディスを気にしながらも、すぐに部下を率いて出発をしなくてはならなかった。
「そろそろ行きましょう」
二十年間暮らした屋敷を見収めたメレディスは、ふたりオスカーとレオナに声をかけた。
しかし、そのとき思いがけなく呼び止められた。
声の方に振り向くと、華やかな赤いドレス姿の若い女性が、足早に近づいてくるところだった。