妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
「あれ、お姉さま、もしかして驚いてるんですか?」
ベルティがメレディスの顔を覗きこむ込む。
「え、ええ。驚いたわ」
ベルティの顔から笑みが消えるる。
正直に答えてしまったことで彼女の怒りに触れてしまったようだ。
「やっぱりお姉さまは私が王太子妃に相応しくないと思っているんですね! お姉さまは昔からそう! 私のお母様が元妾だったからって見下しているんだわ」
「ベルティ、そんなことは思っていないわ」
たしかに彼女は父の妾の娘で、幼い頃は市井で暮らしていた。もしメレディスの母が亡くならなかったら、公爵邸に入り堂々と娘だと名乗ることは出来なかっただろう。
だからといってメレディスはベルティを馬鹿にしたことはない。
彼女がメレディスを疎んでいるのが分かっていたから、距離を置いてはいた。それでもが、血が繋がった妹なのだから情はあるし、何かあったときは助けるつもりだった庇護するべき相手だと思っていた。
「お姉さまって本当に外面がいいですね。それにいつも偉そう。でもこれからはそうはいきません。お姉さまは公爵家を出て行って私はマティアス様の妻になる。立場が逆転したの」
ベルティは優越感に酔っているかのようだった。楽しそうに笑いながらも、その表情はどこか歪んで見える。
メレディスは胸が痛くなり目を伏せた。
(ベルティがわざわざ見送りに来たのは、自慢したかったからなのね)
公爵邸を追われるように出ていく惨めな姉の姿を見て、満足したかったのかもしれない。
「ねえ、お姉さま、どうして私が王太子妃に選ばれたのかご存じ?」
ベルティが探るように目を細める。
「いえ、分からないわ」
正直に答えると、ベルティは答えが分かっていたかのように、にやりと笑った。
「それなら教えてあげます。私が選ばれたのは、マティアス様が強く希望したから。彼は私を愛しているの」
「……え?」
「お姉さま、本当に気づいていなかったの? マティアス様と私は半年前から恋人同士だったのに」
メレディスは信じられない思いで目を見開いた。
「そんな、まさか……」
半年前は病を患っていると気付く前だったまだ。メレディスが婚約者だったのに。