妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
(王太子殿下は、私と婚約しながら裏切っていたの?)
「あはは、本当に気づいてなかったんだ。お姉さまって本当に純粋ね。だからマティアス様につまらないって言われるのよ」
ベルティは愉快で堪らないといった表情だ。
「お姉さまが一生懸命勉強している間、私はマティアス様を慰めていたの。ねえ、勉強なんて無駄だったと分かった? いくら気取っていても、結局愛されている方が選ばれるのよ。家族にも愛されなくて婚約者に裏切られて、最後は異形症なんて恐ろしい病気にまでなって……お姉さまって本当に悲惨よね」
ベルティの言葉は悪意に満ちていた。メレディスは呆然するあまり反論ひとつできない。
婚約者と妹の裏切りが心に突き刺さる。
マティアスを愛していた訳ではない。それでも将来の夫として誠実に接していた。彼を支えようと心を尽くしていたのに、最も身近だったふたりは、陰影でメレディスを騙していたのだ。
努力が報われたからこそ、最も高貴な立場に立ったのだと自負していた。しかしただ愛されているだけのベルティにひっくり返されてしまうなんて!た。
(私が頑張ってきたことって何なのかしら)
失望のあまり心がひび割れてしまいそうになる。
ふらりと倒れそうになったからだ体を、オスカーとレオナが素早く支える。
「ベルティ様、先ほどから姉君に対してあまりに無礼です。謝罪してください!」
レオナが厳しい声で訴える。本来使用人である彼女が口を挟める場面ではないが、どうしても見ていられなかったのだろう。
「黙りなさい! 私は未来の王太子妃よ! どちらが無礼なのかしら?」
激怒したベルティが、人を呼ぼうとする。