妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
継母や異母兄弟と上手くいかないというのはよくある話だ。メレディスがベルティを受け入れられなくても無理はない。
「いえ、公爵家の使用人に話を聞きましたが、メレディス様はベルティ様を気遣っていたようです。しかしベルティ様は姉を敵視して何かと張り合い、そのため姉妹仲が悪化しています。メレディス様の病が発覚したとき、大騒ぎして姉を追い出そうとしました」
ベルトの報告を聞くにつれて、カイエンの眉間にしわが寄っていく。
「また、ベルティ様は以前からマティアス王太子殿下と恋人関係でした。能力に不安がありながらも新たな婚約者に選ばれたのは、マティアス王太子殿下の意向があったからだと言われています」
ベルトの報告が終わった瞬間、カイエンの怒りが爆発した。
「つまりメレディスと婚約していたときから浮気していたということか?!」
氷河よりも冷ややかな視線がベルトに突き刺さる。
「そのようです」
「カロッサ公爵はなにをしていたんだ? なぜマティアスとベルティの好きにさせている?」
「公爵は数年前から病に臥せっているため、公爵夫人が代理としてカロッサ公爵家を取り仕切っているようです。使用人の話では、公爵夫人は実の娘であるベルティ様にかなり甘いとのことでした」
「メレディスはずっと孤立無援だったということか!」
カイエンはダンッとマホガニーの机を叩いてから、怒りを吐き出すように深く息を吐いた。
「……では、カロッサ公爵家が毒を入手した形跡がないか調査しろ。マティアスの方もだ」
「王太子殿下についてもですか?」
「ああ、メレディスが病になり得をした者は、誰であろうと調査対象だ」
ベルティは病の家族を放り出すような冷酷さがある。マティアスは婚約者を裏切り、あろうことかその家族と浮気をする倫理観のない人間だ。
どちらも疑わしい。
もし本当にメレディスに手を出しているのだとしたら、ただでは済まさない。
カイエンはベルトが恐れおののく程、凶悪な表情を浮かべた。